天井クレーンの点検項目とは?資格は必要?詳しく解説します!
- 目次閉じる
工場や倉庫で日常的に使用されている天井クレーン。
日々の業務に追われる中で、こちらの点検を怠りがちになってはいませんか?
天井クレーンの点検は法定義務となっており、法定の点検内容を守らない場合、送検されてしまうこともあります。
今回はこちらの天井クレーンの点検について、点検頻度や内容などを解説いたします。
天井クレーンの自主検査とは
天井クレーンの検査の必要性を認識できていない方や、詳しい検査内容についてご存じない方もいらっしゃるのでしょうか。
こちらでは、まず検査に関する基本的な情報をお伝えします。
自主検査の必要性
天井(ホイスト)クレーンは、数100kgの重量がある物を運搬したり、過酷な使用における消耗が避けられないので定期的な点検やメンテナンスが重要です。
天井クレーンは、作業現場において人間の力では持ち運びができないような重量物を運搬するために使用されます。
そして、毎日のように数トンに上る重量物の運搬を行うため、使用状況によっては激しく消耗してしまうのも避けることができません。
天井クレーンは、モーターや制動を行うブレーキなど、さまざまな金属部品によって構成されているのですが、日々の使用によって劣化・消耗してしまい、故障や不具合を招いてしまうことがあります。
そうなってしまうと、作業効率が低下してしまうのはもちろん、従業員の命に関わる重大事故につながってしまう恐れもあるのです。
こういった設備の不具合は、いつ起こるか分からないものですので、事故リスクを限りなく小さくするためにも定期的な検査・メンテナンスが求めらています。
点検の必要があるクレーンの条件と検査基準
前述の通り、天井クレーンを装備した工場や倉庫では、法律で「一年以内ごとに一回および一月以内ごとに一回」の自主検査が義務付けられています。
自主検査が義務付けられているクレーンは、以下のような条件があります。
- ・移動式を含む吊り上げ荷重0.5t以上の全てのクレーン
- ・安全規則の適用を受けるデリックとエレベーター
- ・建設用リフトおよび簡易リフト
上記のような倉庫や工場といった環境に取り付けられている天井クレーンは、「クレーン等安全規則」の規定において、検査する箇所やメンテナンス方法の判定基準があります。
定期自主点検指針には、判定基準も個別に分けられており基準に基づき適合するかを確かめ、適合しなければ補修と交換や大幅なメンテナンスを要することになります。
検査項目、検査方法及び判定基準は明示されており、下記の9項目が対象となります。
天井クレーンの定期自主検査指針
- ・ランウェイ部分
- ・鋼構造部分
- ・走行機械装置
- ・横行機械装置
- ・巻上機械装置
- ・潤滑装置
- ・電気関係
- ・安全装置
- ・荷重試験
対象に該当するクレーンは、所定の検査項目の点検を行い記録を3年間保管する必要があります。
さらに自主検査の実施には、厚生労働省通達の「定期自主検査者安全教育要領」に基づく、教育カリキュラムを実施している業者の選定が推奨されます。
必要となる4つの検査
法定で義務付けられている検査の種類は下記の4つです
- ・年次定期自主検査
- ・月次定期自主検査
- ・作業開始前の点検
- ・地震後や暴風後に行う点検
それぞれどの箇所が検査対象になっているかご説明いたします。
①年次定期自主検査
吊り荷重500 ㎏以上のクレーンは、「クレーンを設置した後、一年以内ごとに一回、定期に、当該クレーンについて自主検査を行なわなければならない。」と定められています。年次定期自主検査では、以下の箇所を検査する必要があります。
- ・構造部分、機械部分、電気部分の異常の有無
- ・ワイヤロープまたはつりチェーンの異常の有無
- ・つり具の異常の有無
- ・基礎の異常の有無
- ・荷重試験
上記のような検査を行い、異常を認めたときは、直ちに補修しなければないと定められています。
②月次定期自主検査
吊り荷重500 ㎏以上のクレーンは、「一月以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行なわなければならない。」と定められています。月次定期自主検査では、以下の箇所を検査する必要があります。
- ・過巻防止装置や過負荷警報装置などの安全・警報装置と、ブレーキおよびクラッチの異常の有無
- ・ワイヤーロープおよびチェーンの損傷の有無
- ・フックやクラブバケットなど、つり具の損傷の有無
- ・配線、集電装置、配電盤、開閉器・コントローラの異常の有無
- ・ケーブルクレーンにあっては、メインロープやレールロープ、ガイロープを緊結している部分の異常の有無。ならびにウインチの据付けの状態
毎月一回、上記の箇所を検査する必要があります。
③作業開始前の点検
上記のような自主検査で何の異常がない場合でも、クレーンを用いて作業を行う時には、作業開始前に天井クレーンに異常がないか点検を実施することが義務付けられています。作業開始前点検では、以下の項目について点検を行います。
- ・巻過防止装置、ブレーキ、クラッチおよびコントローラの機能の点検
- ・ランウェイの上およびトロリが横行するレールの状態の点検
- ・ワイヤロープが通っている箇所の状態を点検
上記のような箇所を点検し、クレーンが正常に作動するか厳格なチェックを行う必要があります。
④地震後や暴風後に行う点検
屋外に設置されているクレーンに、震度4以上の地震が起こった場合や瞬間風速が秒速30m以上の風が吹いた場合に、作業再開前に点検を行う必要があります。
明確な点検項目はありませんが、各部に異常が無いことを確認してから作業を再開するようにしてください。
自主検査の記録と保存期間
クレーン等安全規則第38条では、「事業者は、自主検査及び点検(作業開始前の点検を除く)の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。」と定められています。検査記録の保存期間は以下の表をご参照ください。
項目 | 年次定期自主検査 | 月次定期自主検査 | 作業開始前の点検 |
点検時期 | 1年以内毎に1回 | 1月以内毎に1回 | 作業開始前 |
実施者 | 事業者の指名した者 | 事業者の指名した者 | 担当運転士 |
記録 | 年次自主検査表 | 月例自主検査表 | 始業点検簿 |
保存 | 3年間保存 | 3年間保存 | 法的にはない |
天井ホイスト・クレーンの修理・入替工事事例
当社では天井ホイスト・クレーンの修理・入替工事を実施しています。
その中の事例を一部ご紹介いたします。
施工事例①:天井ホイスト入替工事
お客様から「天井クレーンが老朽化しているため、修理してほしい」とのご依頼があり、施工いたしました。
現地調査の結果、電動ホイストに損傷が見られたため、更新作業を実施することをご提案しました。
見積書の提出を行い承認をいただいた後、新しい電動ホイストの発注を行いました。
その後、施工のお打ち合わせを行ったうえでホイストの更新作業を実施しました。
>>>この事例の詳細はこちら
施工事例②:走行電動ホイスト更新工事
とある製造業の工場で走行電動ホイストが長期間使用されており、老朽化のための更新を計画されていましたが、産業機械や業者をあまり知らないとのことでお困りになられていました。
そこで、以前別件でご依頼いただいたこともある石川商事にご相談いただきました。
本施工では、まず当社の協力会社に依頼してコストを押さえることを交渉し了承が取れました。
次に、現地調査を行い新設箇所の確認としてホイストを設置する高さ、搬送のルートの確認、高所になりますので足場の設置確認を行い見積を提出して施工がはじまりました。
>>>この事例の詳細はこちら
天井ホイストの修理工事は弊社にお任せください!
当社では、天井ホイスト・クレーンの修理・入替工事も行っております。
定期的なメンテナンスも実施可能ですので、天井ホイスト・クレーンに関してお困りの方はお問合せください。